OPEC+、2026年1〜3月期の供給据え置きを決定 – 供給過剰懸念の中、慎重姿勢を維持
石油輸出国機構(OPEC)と主要産油国で構成されるOPEC+は、2026年1月4日に開催した会合で、2026年第1四半期(1〜3月)まで原油の供給増加を見送る方針を決定した。世界の原油市場では依然として供給過剰への警戒感が強く、先行きの不透明感を背景に慎重な対応を取った形だ。
会合は近年と同様にオンラインで実施され、所要時間は10分未満と短時間だった。サウジアラビアとロシアを主導役として、3月末までの集団生産水準を維持することで合意した。
ベネズエラ情勢と原油生産回復の見通し
今回の会合では、ベネズエラ情勢に関する正式な議論は行われなかった。
複数の関係者は、地政学的な出来事を理由に直ちに供給調整を行うのは時期尚早との見方を示している。
もっとも、今後数カ月にわたり、ベネズエラの原油生産動向はOPEC+にとって重要な論点となる可能性がある。同国は世界最大級の埋蔵量を有する一方で、現在の生産量は日量約80万バレルと、世界供給量の1%未満にとどまっている。
海上輸送データを分析するKplerによると、制裁が緩和されれば数カ月以内に日量約15万バレルの増産は見込めるものの、日量200万バレル以上への回復には大規模な制度改革と国際石油会社による巨額投資が不可欠とされる。
原油価格下落とOPEC+の市場戦略
国際原油先物価格は2025年に約18%下落し、これは2020年の新型コロナ禍以来、最大の年間下落率となった。OPEC+加盟国やその他主要産油国による供給増加に加え、需要の伸び悩みが背景にある。市場関係者の多くは、2026年にかけて供給過剰が一段と拡大すると予測している。
2025年4月には、サウジアラビアとその同盟国が、2023年以降停止していた生産分を急速に再開し、市場関係者を驚かせた。この動きについては、米国のシェールオイル生産者など競合に奪われた市場シェアを取り戻す狙いがあったとみられている。
OPEC+は、2023年以降停止していた日量385万バレルのうち約3分の2を復元することで正式に合意していたが、実際の増産量は発表ほどには達していない。これは、一部の国が物理的に増産できない事情や、過去の超過生産を是正する動きが影響しているためだ。
原油価格見通し(2026年を中心に|短期:今後6〜12カ月)
短期的な原油価格は、上値の重いレンジ相場が基本シナリオとなる見通しです。
OPEC+は引き続き供給増を抑制する姿勢を示しているものの、米国シェールオイルに加え、ブラジルやガイアナといった非OPEC産油国には依然として大きな増産余地が残されています。
一方、世界経済については「減速はするが景気後退は回避される」という見方が市場のコンセンサスであり、原油需要は底堅いものの、力強い拡大が期待できる状況ではありません。こうした需給環境を踏まえると、価格は明確な上昇トレンドに入りにくく、WTIは1バレル60〜75ドル前後、ブレントは65〜80ドル前後の水準が意識されやすいと考えられます。
中東情勢やベネズエラ制裁、ロシア関連問題といった地政学リスクによる一時的な価格上振れは想定されるものの、現時点では構造的な供給不足に発展する可能性は限定的と見るのが妥当でしょう。