中国銀行香港(Bank of China Hong Kong, BOCHK / 中國銀行香港, 中銀香港)は、香港に本社を置く総合商業銀行であり、母体である中国本土の中国銀行とは法的に別個の組織です。2002年には株式を公開し、香港証券取引所に上場しました。
個人・法人・機関投資家に対し、預金・融資・資産管理・貿易金融・クロスボーダー決済など幅広い金融サービスを提供しており、香港において資産および預金規模で第2位の商業銀行です。また、香港ドル紙幣発行銀行の一つであり、香港における人民元(RMB)決済・清算の中核銀行として重要な役割を担っています。
2025年上半期基準で総資産と預金、純利益が堅調な成長を維持し(収益性・資本・流動性いずれも業界水準以上)、配当政策も安定的に運用されているため、海外投資家が資金を預けたり資産を管理するのに信頼できる銀行です。
中国銀行香港の歴史 / The History
中国銀行(香港)は1917年に香港支店を開設して以来、2001年に主要系列会社の統合を経て、現在のBOC Hong Kong Holdingsとして発足しました。
- 1917年:中国銀行が本土銀行として初めて香港に支店を開設
- 1994年:香港ドル発行銀行としての地位を維持し、人民元決済・清算銀行としての役割を強化
- 2001年:BOC Hong Kong (Holdings) Limited を設立し、香港内の複数銀行を統合
- 香港証券取引所メインボードに上場(銘柄コード2388/82388、ADR:BHKLY)し、運営の透明性を確保
- 2016~2017年:一部系列会社(例:南洋商業銀行、集友銀行など)の持分整理を実施し、東南アジアを中心に地域展開を拡大
- 現在:香港の主要発行銀行の一つとして、人民元業務の清算銀行を担い、世界中の顧客に包括的な金融サービスを提供
本店はBOCタワー(BOC Tower / 中銀大廈)にあり、香港のスカイラインを象徴するランドマークの一つです。著名な建築家アイ・エム・ペイ(I. M. Pei)が設計し、鋭く突き出たガラス外観は「刀のよう」と称されるほど独特で象徴的なデザインを誇ります。 BOCタワーは単なる本店ビルではなく、香港金融の安定性と中国銀行のグローバルな地位を象徴する存在です。
中国銀行香港の企業規模と財務健全性 / Company Size and Financial Health
BOCHKは資産規模、預金・貸出ポートフォリオの面で香港を代表する大手銀行の一つです。
2025年上半期の実績でも総資産、顧客預金、貸出および利益が安定して増加しており、コスト管理・資本確保・流動性管理が適切に行われているため、財務健全性に優れています。
- 総資産(2025年上半期):約HK$4,399,822百万
- 預金・貸出:前年同期比で増加し、安定した資金基盤を維持
- 純利益(2025年上半期):堅調な増益を達成し、資本の適正性と配当余力を確保
- 費用対収益率(Cost-to-income ratio):業界平均より良好な水準で運営効率が高い
- 不良債権比率(NPL)および自己資本比率:規制要件を上回り、健全性を維持
これらの指標は長期的な安定性や危機対応力を示すものであり、日本人投資家にとって資金を預けたり投資商品を利用する際の安心材料となります。
中国銀行香港の信用格付け / Credit Rating
BOCHKは国際的な信用格付け機関から投資適格の高水準を維持しており、信用リスクにおいて高い信頼を得ています。
- Standard & Poor’s:長期 A+、短期 A-1、見通し 安定的
- Moody’s:長期 Aa3、短期 P-1、見通し 安定的(2025年5月時点)
- Fitch:長期 A+、短期 F1+、見通し 安定的(2024年11月格上げ反映)
オフショア投資としての中国銀行香港 / As an Offshore Investment
香港に拠点を置くBOCHKは、法制度と金融システムの安定性を背景に、国際金融センターとしての利点を最大限に活かしたオフショア投資の拠点です。 海外投資家は、まずBOCHKに口座を開設することで、世界的な金融ネットワークや多様な資産管理サービスを利用できます。
特に人民元クロスボーダーサービス、グローバルトレードファイナンス、外貨・海外投資口座に強みがあり、分散投資や通貨分散を重視する日本人投資家にとって有力な選択肢となります。ただし、為替や金利、規制の変動には留意が必要です。
専門家アドバイス / Professional Advice
BOCHKは財務基盤と信用格付けが安定しており、環境・社会・ガバナンス(ESG)における取り組みも評価されています。長期的な預金先や資産管理先として信頼できる銀行です。
また、顧客の事情によっては英国系や米国系の銀行よりも、中国本土系銀行の方がセキュリティや資金管理の面で適している場合があります。特に中国本土との取引が多い、あるいは安定したセキュリティを重視する顧客にとって、中国銀行(香港)はさらに適した選択肢といえるでしょう。
当社パートナー銀行 / Supported Bank Accounts
香港では銀行間の競争が激しいため、必要に応じて第一線と第二線の銀行を組み合わせて利用する場合も多いです。例えば、企業金融はHSBC、個人ローンはBank of East Asiaを利用するような形です。
第一線銀行(大手銀行および紙幣発行) / Mainstream Banks,Tier 1 Banks
- 香港上海銀行(HSBC Hong Kong / 香港上海滙豐銀行) - 1865年に設立されたイギリス系銀行で、香港ドルの発行権限を保有しています。香港内に150カ所以上の支店を運営
- 中国銀行 香港(Bank of China Hong Kong / 中國銀行香港) - 中国国有銀行で、香港で強力なネットワークを保有。CNY取引に特化
- スタンダードチャータード銀行 香港(Standard Chartered Bank Hong Kong/ 渣打銀行香港) - 1853年に設立されたイギリス系多国籍銀行で、アジア市場に特化しています。プレミアムバンキングサービスが優秀
第二線銀行 / Second-tier Banks
- 恒生銀行(Hang Seng Bank) - HSBCグループ系列の現地銀行で、リテール金融に強み。住宅ローン商品の種類が豊富。
- 東亜銀行(Bank of East Asia) - 1918年に設立された香港最大の独立系現地銀行。中小企業金融に特化
- 大新銀行(Dah Sing Bank) - 中小企業および個人顧客向けのサービスが優秀。デジタルバンキングの革新をリード
- 交通銀行(Bank of Communications) - 中国の5大国有銀行の一つ。交通インフラプロジェクトの金融分野に強み
- CMBウィングラン銀行(CMB Wing Lung Bank / 招商永隆銀行) - 中国本土との貿易金融に特化した商業銀行
その他外国銀行 / Other Foreign Banks
- シティバンク(Citibank / 花旗銀行) - アメリカ系グローバル銀行で、プレミアムバンキングサービスを提供。多様なグローバル投資商品
- DBSバンク(DBS Bank / 星展銀行) - シンガポール最大の銀行で、アジア市場に特化。デジタルバンキングのイノベーションをリード
- OCBCバンク(OCBC Bank / 華僑銀行) - 東南アジアのネットワークが強力なシンガポール系銀行。海外送金手数料の競争力
- スイス·ユニオン·バンク(UBS / 瑞士銀行) - スイス系グローバル銀行で、プライベートバンキングサービスは世界最高水準
- 中国工商銀行(ICBC (Asia) / 中國工商銀行) - 中国最大の銀行の香港子会社。中国本土進出時に有利
口座開設およびアフターサポート / Account Opening & After-sales Service
オフショア銀行口座の開設およびアフターサポートの料金表です。基本的に当社の顧客の方には、ほとんどのアフターサポートを無料で提供しております。
サポート内容 | 料金 (HKD) |
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相談 | 無料 |
個人口座開設サポート | 3,000~ |
法人口座開設サポート | 10,000~ |
住所および電話番号変更手続き代行 | 1,000 |
口座解約手続き代行 | 2,000 |
香港現地訪問による口座凍結解除 | 2,000 |
非対面での口座凍結解除 | 3,500 |
その他各種手続き・トラブル対応・通訳 | お問い合わせください |
相談の流れ / Consultation Procedure
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お問い合わせ
銀行口座開設や関連業務のご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。日本語対応スタッフが迅速にご対応いたします。
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担当者からのご連絡
専門の担当者が直接ご連絡し、ご相談内容を確認のうえ、必要な書類や手続きをご案内いたします。
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ご相談の実施
オンライン・電話・メール・オフィス訪問など、ご希望の方法で相談が可能です。お客様の状況に合わせて最適な銀行や口座タイプをご提案いたします。
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口座開設
必要書類の準備や各種手続きをサポートし、安全かつスムーズに口座を開設できるようにご支援いたします。
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アフターサポート
口座開設後も、情報変更、口座凍結解除、トラブル対応など、さまざまなアフターサポートを日本語で継続的に提供いたします。